やっぱり登れないジャンダルム飛騨尾根

登山道が整備されている山でもっとも厳しいとされる山域の一つに ジャンダルム がある。
登山道で行くジャンダルムには感心は無いが、西側から突き上げる飛騨尾根は登りたい。
その飛騨尾根はロッククライミングのルートで、少し北にある 滝谷 と同様にわざわざ稜線から降りていって飛騨尾根に取り付き、ロッククライミングを楽しむ。そんなルートだ。
で、私は、稜線から降りて取り付く飛騨尾根にも感心が無く、ジャンダルムの谷底になる白出谷から登っていって飛騨尾根に至り、ロッククライミングをしてジャンダルムの頂に立ちたい。
白出谷から登る場合、雪が藪とガレを覆ってくれないと飛騨尾根には到達出来ない。
なので、11月中旬から5月ゴールデンウィーク明けぐらいまでの積雪期にしか登れない。
40数年前にM君と取り付いてみたがラッセルが深く、全く届かず敗退した。
ここ何年かは、5月ゴールデンウィークの時期になると飛騨尾根を登りたいと、白出谷へ入っている。
白出谷とは、ロープウェイと温泉で有名な新穂高から先、2時間ぐらい歩いたところにある谷だ。
昨年も入った。
新穂高ロープウェイの乗り場の手前に登山指導所があって、そこで登山届けを出すことになっている。
車は更に下に登山者用の無料駐車場がある。
昨年は、荷物が重く、駐車場から登山指導所にも届かず、登山届けを出すことも出来ずに諦めた。
なので、今年は「荷揚げ」という姑息な手段にでた。
初日にテントなど宿泊道具のみを担いでテント設営予定地まで上がって、すなわち荷揚げして一旦降りてくる。
翌日、登攀具を担いでテント予定地に入る、という策にでた。

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さすがに荷物が半分だと余裕で標高差700m上のテント場まで担ぎ上げた。
今回は行ける、と思っていたが、その先、厳しい雪のルートを900m登って飛騨尾根に出、10ピッチのロッククライムを単独登攀し、その日のうちに下山してくることを思うと怖じ気づいてしまって結局行けなかった。

どうやら、本当にもうダメらしい。

今までは、山の現役さんの一角にしがみついて、まだ自分にも頑張れると無理を承知で山に入っていた。
けれど、現役さんの集団からはとうとう脱落してしまった。

みんなから取り残された「はぐれ雲」となってこれからは一人、山を楽しみたい。

 

 

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