山スキー、気を付けて

今日、2014年3月21日(春分の日)も北アルプス・栂池で山スキーの犠牲者が出た。

つい先日も目立たない記事だったが、丹沢・大室山でスキーの人が亡くなった。

山スキーの犠牲者、他のスポーツに比べて多くないか?

私は、山スキーで事故を起こし、救助されたのを機会に、山スキーは辞めた。

元々、怖いとか危険とかの感覚があった上に、あとで人が行ってみれば「どうすればこんなところで事故れるんだ?」と言われるような所で骨折事故を起こしてしまったので、これじゃあもう”私は山スキーの事故の防ぎようがない”という結論に達して、山スキーを辞めた。

登山の歩行スピードに比べてスキーははるかに速い。そのスピードをコントロールできる技術と運動神経とが必要だ。一瞬一瞬の判断で対処しきれる反射神経も必要だ。

ラッセルをして登って、滑走して降りてくる並はずれた体力も必要だ。

日常のトレーニングも欠かせない。

平均以上のかなりのレベルの能力が要求されるスポーツだと思う。

私のような人間では事故に必ず繋がる。

その技術と運動神経と反射神経と体力があった上でなお「雪崩」の危険からも身を守らねばならない。

山屋の私には「山スキーヤーは平気で雪崩の危険性がある谷に滑走していく」と昔から感じていた。

谷を滑走しても比較的事故が起こらないのはスキーのスピードが速いから、谷底にいる時間が短いだけ、単に確立論に過ぎないと思っている。

谷に入っても、滑走は速いから許されるのかも知れないが、谷をハイクアップするのは歩行登山と同じ谷にいる時間が多すぎ、あまりに危険だ。

登りのルートは雪崩のことをよく吟味して楽しんで欲しい。

そして怖いのはホワイトアウト。

ホワイトアウトで一瞬ルートが分からなくなっても滑走中はスピードがあるので、ルートを外すと、そのはずれた距離はかなり大きい。下手すれば、取り返しが困難な程はずれてしまっているかも知れない。それでもそのまま谷筋を降りることはせずに、尾根に登り返して欲しい。

ホワイトアウト、早い話しが「吹雪」だ。吹雪の中を尾根に登り返す、辛いことだ。それでも登り返す気力を持った強いスキーであって欲しい。

結局、この「強いスキーヤー」とは、体力と運動能力とスキー技術が裏打ちされているってことだろう。

登山は、山の技術が有ればできる。ゲレンデスキーは、スキー技術が有れば出来る。

しかし山スキーは、その両方、登山技術とスキー技術が必要な高難度の遊びだ。

そしてどんなスポーツ(遊び)に対しても、日常鍛えた体力と優れた装備が基本要素として要求される。

山スキーヤーの皆さん、気を付けて楽しんで下さい。

 

 

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