ゴールデンウィーク最後の日、奥穂高で3つの遭難救助活動がなされた。
その中で、岐阜側に降りた3人中二人が低体温症で亡くなった。
その一人が「本図一統」さん(68歳)。聞いたことのある名前だ。
調べると剱沢大滝とかにも入られた人だった。
その遭難場所が、奥穂高で穂高小屋(白出のコル)から西へ500m程の尾根、あるいはさらに下った沢筋で遺体は収容された、となっていた。
奥穂高の西に尾根は無い。
直前に同じく2人の防衛大の方が無くなった涸沢岳西尾根かジャンダルムの飛騨尾根か、と思っていた。
そうしたら「間違い尾根」での遭難だと言うブログがあった。
そんな尾根は聞いたことがない。
早速地形図を見てみると確かに奥穂から穂高小屋に向かって下っていくと間違って入ってしまいそうな小さな尾根があった。
なるほどな。全ては理解できた。
どこから登られたのかは分からないが、5月5日は天候は崩れたが無理して頑張れば歩けなくもない程度だっただろうと思う。
あるいは、若手の人にはこの程度の風雪は経験してもらっていた方がいいとの判断があったかも知れない。
そして奥穂高の山頂からの下降。
右手は涸沢カール側に雪庇が張り出す。
山に慣れた人なら本能的に左へ向かう。
天候悪く、視界が無い。
自然と「間違い尾根」へと入ってしまわれたのだろう。
「間違い尾根」と言うのを知らなかった自分も同じ状況なら遭難したかも知れない。
自分が行こうとするルートの地形(尾根筋や沢筋の曲がり具合や傾斜、支稜や枝沢)のイメージは2~3時間分は完全に頭に入っていないと危険と言うことだ。
改めて勉強になった。
そして、悪天候なら行動するな。
こちらの方が大きな原則だと今一度肝に銘じておこう。