この正月登山の遭難に思う

この年末年始は、西高東低で北アはどちらかというと高気圧に覆われたが、強い寒気団と冬型天気のため荒れた。そして遭難事故が幾つか発生した。

まず、西穂高。

3人パーティで西尾根を登って西穂にいたり、小屋へ向かう途中で動けなくなったようで、凍傷にあっているという50歳男性がヘリで運ばれたが既に息絶えていた。残り二人は、小屋から向かった救助隊に助けられて無事降りてきた。

次は、明神岳東稜のヒョウタン池。

ヒョウタン池にテント設営し、2名がピッケルだけで翌日の偵察に出かけて帰ってこないと残りの一人が上高地に遭難を知らせに翌日降りてきた。なんでも近くに雪崩の様な跡があるという。しかし自分の記憶ではヒョウタン池から先は樹林の尾根で雪崩に遭うようなところは記憶にない。あるとすれば、少し先の露岩帯ぐらいだ。ここで雪崩れたか二人揃って滑落したのであれば、一晩経って戻ってこなければもう助かりようがない。

そして、剣岳西面。

小窓尾根から剣を目指し4人パーティ全員が雪崩にあったようだ。

西穂高、明神、小窓尾根、これらの人は全員それらのコースを雪山で登るだけの実力はあったと思う。が天候が悪かった。遭難したのだから判断が間違っていた、と言うことなんだろうがもし仮に自分がその計画に参加して居れば同じように遭難していたことになると思うと残念でたまらない。

天候が悪ければ山には行かない。

これは自分で決めているルールだ。

だから単独行の時は、晴天が掴めそうに無ければ家から出発もしない。

だけどパーティを組んでいたらそれが出来ない。

しかも何泊もする計画なら明日は天気悪くてもいずれ回復するかも知れないと期待もする。

全員で計画を練り、食料担当の者は全員分の食料を購入し、場合によってはペミカンまで作っているのに、出発の当日に「天気悪そうだから俺今夜は行かない」とは言えない。取り敢えず現地まで行こう、となる。登山口でチラチラ雪が降っていると心の中で今回の山行は失敗かな、と全員が思っていても、取り敢えず森林限界までは大丈夫だろう、と入っていく。

西穂の人たちは、天気悪かっても森林限界を超え西穂のピークも越えている力があった。

明神のパーティは、森林限界の下で計画通りのところでテント設営し、余裕でピッケルだけでルート偵察に出かけている。

小窓尾根の人たちは、標高1300m付近と言えばまだ尾根に取り付いて間がない。そんなところでやられている。

どう見ても自分がそのパーティにいれば同じように行動したとしか思えない。

そして遭難している。

どなたか、このパーティ行動をとめる方法を教えて下さい。

それともパーティ行動をとめる方法などはなく、遭難に遭うかどうかは運否天賦ということなのだろうか?

私には、明神東稜隊も小窓尾根隊もどこにも無理があったとは思えない。

しかし、明神の捜索に向かわれる長野県警山岳警備隊3人のTV映像を見て、そのザックの大きさに驚いた。申し訳ございません、ありがとうございます。どうか二重遭難だけは遭われませんように、と心の中で祈るだけだった。

 

 

この正月登山の遭難に思う」への2件のフィードバック

  1. 本当ですよね。 楽しみのための山登りなのに… 死んでしまうなんて。
    どんなにもったいない時間と思っても、山では命だけは落としてはいけないと思いました。

    • Kinnyさん、コメントありがとうございます。

      無理をしていなくても山では常に危険と隣り合わせなんだと思い知らされました。心して山を続けていきたいと思います。

      コメントありがとうございました。

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