オバカンの山
還暦後(オーバー・カンレキ)の山行記録
last update : 2021.02.28
【山  域】上越・日光白根山  丸沼高原スキー場から
【日  付】2011年2月26日(日帰り)
【時  間】丸沼高原スキー場ロープウェイ山頂駅 09:05  七色平避難小屋 10:00  座禅山とのコル 11:10
      目的の尾根2350m 11:45~12:00  夏径と合流2500m 12:40  山頂 12:55~13:05
      尾根2350m 13:20  座禅山とのコル 13:35  六地蔵 14:45  ロープウェイ山頂駅 15:45
【メンバー】単独行
2009年1月に武尊山へ登った後に、次に目指す百名山としてこの奥白根山を決めた。

ロープウェイ山頂駅から見る日光白根山
ロープウェイ山頂駅から見る日光白根山

関東以北の山の最高峰と言うし、写真を見ていると山頂付近は岩が黒々と露出していて少しぐらいは雪の付いた岩稜を楽しめそうにもあった。 それでこの山に決めたが、ルートは、せっかくの雪に覆われるこの季節に登るのなら夏径のない尾根を登りたいと、山頂から北へ向かう夏径の一本西の尾根を登る事に決めていた。
そして昨年2010年3月に向かってみたが、丸沼高原スキー場ロープウェイ山頂駅から15分も進むとスノーシュー隊にトップを譲られ終始ラッセルで、目的の尾根に出てあとはクラストした斜面をアイゼン効かせて登るだけかというところ(2380mぐらいか?)で時間切れで敗退した。 その時、帰路に六地蔵側へ廻ったら、その六地蔵とロープウェイ山頂駅を結ぶ地図にはない径があるらしい事を発見し、次行く時は、この径を行った方が妙な上り下りが無く七色平に出られると判断した。
そして今年2011年、1ヶ月近く続いた悪天候が一息ついて晴天になると踏んだ2月2日(水)にウィークデイにもかかわらず出発した。
予定通りロープウェイ山頂駅から六地蔵へ向かったが径が分からず適当に尾根越えして賽ノ磧へと進み、それより東進するも2070mの先で径を見失い適当に高度を上げていったが正午を過ぎてもなお樹林帯に居ては到底山頂を目指す時間はないと、またもや敗退してきた。
そして2月19日、もう六地蔵はこりごりと通常通り七色平への径をすすんだ。今度は、七色平から北に進みすぎたらしく座禅山の山頂に出てしまい、またまた失敗。
たかが日光白根山ぐらいで3回も失敗するとは情けないにもほどがある。
とはいえ、考えようによっては以外と難しいのかも知れない。
というのは、ロープウェイを利用すると楽には違いないが山頂駅の出発はどうしても9時になる。 そして遅くともゲレンデの閉じる16時前には山頂駅に戻ってこないといけない。 わずかに7時間足らずしか行動できない。
往路でルートを間違い1時間もロスするともうタイムアウトを覚悟せねばならない。そういう超過時間禁止との勝負の難しさだ。
決して登攀技術的な難しさではない。
技術的というと足回りは何にするかはその時次第でこれも難しい。
所詮私は単独行なので一人ラッセルする事を前提にスキーをはいて登る。 トレースがないと、ワカンやスノーシューでの一人ラッセルでは山頂に届くはずがない。 単独行での登りはスキーがないと行く気もしないが、座禅山とのコルから七色平への急斜面の下りは樹林が濃いいので私のスキー技術ではとうていターンはできない。 下りで言えば、単独行でもスノーシューの方がスキーより速く下れる。 しかも七色平と山頂駅の800m程の区間は平坦のようで登り下りが多くスキー向きのルートでもない。 ここでスキーを履くのなら行きも帰りもシール歩行になる。 結論から言えば、山頂を踏むのに一番良いのは他人のトレースを頼りに最初からアイゼンを履いていける時を選ぶのが一番可能性が強いといえる。 たとえそのトレースが途中までで敗退していてもだ。 そのためにはまず土曜日は避けて日曜日に入るべきだろう。 とは言え、私の場合は人が登らないルートが目当てなので七色平から先はトレースの期待をしようもない。
さて、そして今回2月26日(土)が4回目のトライとなった。
ロープウェイ山頂駅からスキーシールで歩き出す。
勿論、六地蔵はこりごりなので七色平を目指す。


二荒山神社
二荒山神社

まずは二荒山神社で「もう今回は登らせて下さいネ」と泣きを入れて樹林の中へと入っていった。
トレースははっきり付いているばかりか先週の自分のスキーの跡が残って居る。
この一週間全然雪は降っていないらしい。
先行は2パーティ3~5名程度と見た。スノーシューもアイゼンも履いていないようだ。


七色平の避難小屋
七色平の避難小屋

先週からのトレースが残っているのであっさり七色平の避難小屋に着いた。 ここでクランポンを装着した。


七色平
七色平

その七色平を突っ切ってあまり先に進まないうちに右手の斜面側へと進み、左気味に登って白根山と座禅山のコルに出る沢筋に出た。 沢筋と言っても夏でも水があるのかしらと思う程度の浅いへこみでしかない。 樹林は濃いいし傾斜もスキーにしてはかなりあるので右に左に切り返しながら快調に高度を上げていく。


白根-座禅のコル
白根-座禅のコル

昨年の3月は、コルの直前でカリンカリンに凍っていたが、今回はまだ2月、多少クラストしているが踝程度のラッセルでコルに到達した。 昨年はここで大休止をし、スキーをデポしてアイゼンで先へ進んだが、ツボ足は勿論ワカンでも沈むので今回はそのままスキーシールで休む事もなく右側から巻くように登っていく。


座禅山から見る白根山の北面
座禅山から見る白根山の北面 (2011.02.19)

座禅山山頂の釜
座禅山山頂の釜 (2011.02.19)

コルから先は樹林も薄くなり、帰りの滑りが楽しみのところだ、というか唯一此処だけが滑走できるところでもある。 樹林を抜けると正面には目指す白根山の黒々とした山頂が待っている。正直、大丈夫本当に登れるのかしら?と思うほど黒々としている。 このままこの尾根を登ると夏径になってしまうので目指す右手の尾根の灌木帯が終わるところを目指して浅いルンゼを渡っていく。


目的の尾根の2380m付近
目的の尾根の2380m付近から見る白根山

その灌木帯が終わったところ、標高2380mぐらいだろうか、此処でスキー、ストックとスノーシューをデポし、やっとアイゼンピッケルのアルパインスタイルになった。 遠く北から北西に山が連なり、何とも見晴らしの良いところだが、残念ながら、この地域の山はさっぱり分からずどれが何という山やら???
スキーのデポ地からしばらくは雪の斜面が続くが基本的にはクラストしていて潜る事は殆どない。 その代わり堅い雪面を提供してくれるだけのものすごくキツイ西風が休み無く吹き付ける。 でもTNFのアウター上下はこの程度の風は全く気にせずブロックしてくれるが、何んとピッケル握る風上側の右手が冷たい。 薄手のインナー手袋の上にTNFのPHYSICS GTX GLOVE をはいているというのに、風には耐えないグローブらしい。
山頂近くの岩稜まで近づくと左手のルンゼ(先ほどスキーで横切ったルンゼの上部)に先週のだろうか足跡が残って居る。
あらまあショック。こんな尾根は誰も登らないだろうと思っていたのに。
岩と言っても火山の山、大きなコークスみたいな岩だ。今は、凍り付いてゴロッと岩がはがれる事は無いだろうが夏なら本当に体重かけて良いのかしらと思うような岩ばかりだ。 まあそんな訳で氷結した今も岩には体重をかけずに済むようにルートを取っていく。
あれが山頂か、と思うところを幾つか越えていくと夏径と合流してしまった。


夏径との合流点から見る燧ケ岳
夏径との合流点から見る燧ケ岳

幸いそこは南西側の大きな岩陰で風が来ない。北面の山々を見るには絶好の場所、少し休んでいく。
その直ぐ先が北峯のピークだったが、その直前で南から登ってきた男女2名のパーティとすれ違う。 その時、「ラッセル有り難うございます」と言われたが、スキーのトレースは役に立たないはずなので返事に窮した。
北峯ではもう一パーティともすれ違った。
北峯から6m程下って登り返すとやっと本峰の南峯に辿り着いた。


日光白根山山頂
日光白根山山頂

男体山と中禅寺湖
男体山と中禅寺湖

いつものようにザックを置いて記念写真をパシャ。 ほとんど雪の付いていない日光の男体山はすぐそこに見えるしその横はオーッ中禅寺湖だ。
さすが関東以北の最高峰、360度のパノラマが楽しめる。その意味ではお薦めの山だ。
前回の草津・白根山からの北アの景色も良かったが、こちらの見渡す限り一番高いところにいるこの感じは実に気持ちいい。
軽く昼食を取りながら景色を満喫したら、来た径を引き返す。
夏径との合流点に戻ると一パーティは私の踏み跡に騙されず、ちゃんと夏径を見抜いて下っていた。
もう一パーティは誤って私のトレースに踏み込んでいた。 ほんの少し先で怖そうに下っている二人を追い越し、スキーのデポ地まであっという間に戻ってきた。さすがに下りは速い。
アイゼンを脱ぎ、スキーシールをはずし、行動食を頬ばっていると、やっと二人はホッとしたように降りてきた。
二人が見えなくなるのを待ってからスキーを履いた。なんてたってスキーは人に見られるのが恥ずかしいほど下手だからネ。
座禅山とのコルまでが、立木が気にならない唯一スキーが楽しめる斜面だ。気持ちいい~~。が、一瞬で終わる。
コルまで来ると今降りてこられた2パーティ4人がアイゼンからスノーシューに履き替え、休憩中だったので唯一ここで本日の登頂者5人が揃った。
これより先はスキーはつらい。昨年は、コルからの降り口がアイスバーンになっていてとても横滑りになる気がせず、スキーを担いでツボ足で下った。 今日は、カリンカリンではないので横滑りで下っていった。 終始横滑りは疲れるが、濃い樹木ではターンする事は出来ない。
急斜面を下りきった七色平の北側からは、賽ノ磧側へ行くべく右手へ北上する。
先には、山頂から夏径を間違わずに降りてこられた二人が歩いて居られたが、賽ノ磧への左折点で他の人のスキー跡を追って菅沼方面へ下って行かれたので大声で呼び返したが声が届かないのかそのまま前進された。 追いかける気もならないので私は賽ノ磧から六地蔵へと滑っていった。


六地蔵から第七リフトへのバーン
六地蔵から第七リフトへのバーン (2011.02.19)

六地蔵の先、ゲレンデの第七リフトへ落ちるバーンを下れば、標高2380mから車の1450mまでスキーで下れる事になるが、このバーンは雪崩があったとかで閉鎖されたので入るなと言われているのでロープウェイ山頂駅へと登り返す。 初めはスキーを履いたまま登り始め、そのうち、ツボ足で登り返したが股間までのラッセルにとうとうスノーシューを出した。 さすがスノーシュー全然潜らない。結局、そのままスキーを担いでスノーシューでゲレンデまで歩いた。
ようやく戻ってきた二荒山神社に御礼をかねて無事の下山を報告し、やっと日光白根登山を終える事が出来た。



【もうあきらめた】
上信越は雪が多いし、写真では見事なナイフエッジの尾根もある。だから好きな雪岩稜登山を楽しめると思っていたがもうあきらめた。
一見、雪稜岩稜のように見えるが北アのような岩山ではない土の山なのでシャープさに欠ける。
思えば、谷川岳も側壁やその周りの尾根は厳しいが、谷川岳・一ノ倉岳間の主稜線もどこにでもテント設営できそうな広い土の尾根だ。
上越の山に雪岩稜の楽しみを求めるのはもう止めた。

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