【山 域】長野市・戸隠山、百間長屋まで往復
【日 付】2021年02月06日
【時 間】06:55 戸隠奥社入り口駐車場
07:15 随神門
07:45 戸隠奥社 ~ 08:05
10:45 五十間長屋
11:00 百間長屋 ~ 11:50
12:55 戸隠奥社
13:10 随神門
13:25 戸隠奥社入り口駐車場
【メンバー】単独行
(地図はGPSログではありません。手書きです。)
ルート(地図をクリックで拡大表示します)
久々の山行記録のアップです。 キノコ雪で有名な戸隠山を2月上旬と言うラッセルがもっともエグイ積雪期に目指してみました。 でもとても届きません。 この先に進むならワカンからアイゼンに履き替えが必要になる百間長屋まで登って引き返してきました。 久々の真剣ラッセル、苦しいけれど楽しかったです。
駐車場に着いたときはまだ暗かったのに
もたもた着替えをしていたら明るくなり
戸隠の山はモルゲンロートに染まっていた
戸隠奥社参道入り口
まだ朝が早いので静かです
では行ってきます
参道中間部にある 随神門
神社だというのにまるで山門のよう
この「雪の戸隠山」はもっともっと登られていい山だと思う。
登山口の駐車場となる「戸隠奥社入り口駐車場」周辺が背丈を超える積雪でも、雪が降れば毎晩除雪車が出動してくれていて雪の無い道路が確保されているので安心していける。
その「戸隠奥社入り口駐車場」も除雪されていて24時間1000円で利用可能になっている。
(前夜から翌日午後まで駐車すると2000円?)
この駐車場の利用者はほぼ全員が戸隠奥社への参拝が目的と思われるので降雪直後でもなければ奥社までは綺麗にラッセルはされている。
奥社から先はもう誰も居ないので、自分たちがルートを開いて山頂を目指すことになる。
技量と体力が問われる世界である。
ロープウェイが利用できる西穂高や宝剣岳より戸隠は技術的難易度は低いと思うけれど、誰も登った跡がないところを自分の眼力でルートを切り開かねばならない戸隠の方が総合力は要求されると思う。
そもそも夏径や標識なども雪に埋もれてしまってどこにルートを開くかは自分の眼力が試される雪山なのに、他人のトレースを追いかけるなんてなんか勿体なくないですか。
もっとも膝から腰や胸まで雪に潜ってのラッセルの辛さは文字に表しようがない。
誰がラッセルなんかやるもんか、ましてや単独で。
これが本音だけれど、でもね、この戸隠は、
駐車場から山頂(八方睨)まで地図上の距離(水平距離)で僅かに 3.6km
そのうち駐車場から奥社までの参道が 2.2km
だから登山する部分の奥社から山頂(八方睨)まではたったの1.4km
で標高差は520mもある。
ネ、なんかちょっと頑張れば行けそうでしょ。
にもかかわらず行く人が殆どいないというのが残念で仕方がない。
もっとも夏なら上部は鎖場が連続する岩場なので、雪の付いた岩場をこなせる技術が無いと無事に帰っては来れませんが・・・
戸隠神社奥社
一昨年、無事に日本海まで歩けたお礼と報告をした
暑くなってきたのでウェア2枚脱ぎ、カンジキの準備をした
カンジキを履いて登り始めた
夏径より20m程上から取り付いた
尾根に出ると九頭龍山の素晴らしい景色が待っていた
尾根に出ると幾分傾斜が落ちる
登り始めてからまだ数十メートルしか高度を上げていない
間もなく標高1460mの主尾根
主尾根には小さいながらも雪庇が付いている
登ってきた尾根を振り返る
ラッセルは急傾斜と木立を巧みにすり抜けている
九頭龍山が見事だ
若ければきっと取り付いただろうナ~
八方睨(はっぽうにらみ)も近くに見えるようになった
この写真、超拡大してみると3人の登山者が写っている
五十間長屋の手前で登ってきた尾根を振り返る
こんなところをたった一人でラッセルするのだから
辛いけど最高に楽しい
気が付けばかなりバテてきている
あの岩の基部が五十間長屋
五十間長屋に着いた
もう少し先の百間長屋まで行こう
五十間長屋の雪の壁
本当はアイゼンの世界だけれどカンジキで頑張る
百間長屋へ向かう
夏なら1分ほどのところだけれど
慎重にラッセルするので15分もかかる
百間長屋は目の前
でもこの傾斜でカンジキですからね
慎重にならざるを得ません
百間長屋に着いた
バテている
この雪の無い陽だまりで休憩して帰ろう
今日活躍してくれた道具達
スーパーカンジキ
ペラペラのミトン
新規購入の雪山用ストック
さあ帰りましょう
帰りはツボ足で
右奥は飯縄山の戸隠スキー場
リフトは動いているが人は居ない
そこへ延びる戸隠奥社への杉並木
綺麗なトレースだ
誰も居ないので自画自賛しておこう
八方睨を振り返る
戸隠奥社近くまで降りてきた
この傾斜続くのですからキツイ尾根ですよ
戸隠奥社 と 九頭龍山
随神門と杉並木
樹齢400年越えの杉並木だそうです
前を歩く参拝者はスニーカです
参道入り口まで戻ってきました
お疲れ様
アレ?バテは治った?
駐車場から見る戸隠の山々
戸隠から森林囃子(もくもくばやし)温泉へ
向かう途中から見る 西岳
もう本場アルプス並みの景色です
今回、久々に 空腹感ゼロ になる バテ に襲われた。
薄皮〇〇パン 2袋=10個 を持っていたけれど、百間長屋で口に出来たのは 1個のみだった。
ラッセルは、ものすごく疲れる重労働だけれど、荷物を置いてしゃがみ込んで休憩したいというような疲れではない。
なので 奥社 から3時間ずっと荷物を担いだまま無休憩できた。
これが 空腹感ゼロ のバテの原因のようだ。
原因が分かれば対策も打てる。
次からは、1時間歩けば、5分10分強制的に休憩を入れて水分を取り行動食を口にしよう。
そうすれば、きっと、この 空腹感ゼロ のバテは起こらないだろう。
バテ防止対策が分かっただけでも今回の山行は価値があった。
その百間長屋は南面向きの窟屋なのでぽかぽか陽が当たって気持ちがよく、雪の無いところに腰かけてついウトウトと15分程居眠りをしていた。
ゆっくり休んだらさあ帰りましょう。
ラッセルの無い雪道の下りは楽だ。
奥社 から 百間長屋 まで、登りは3時間、下りは景色を楽しみながらゆっくりゆっくり降りても1時間しかかからない。
奥社まで降りると参拝者は増えていた。
その方々の足元が色々で面白い。
- XCスキーの人
- スノーシューの人
- 登山靴に12歯アイゼンの人
- ハイキングシューズにチェーンアイゼンの人
- ハイキングシューズでツボ足の人
- 長靴の人
- スニーカーの人
実に豊富で見ていて楽しい
足元は何であれ、雪のある時期の 奥社参道 では、シングルストックはあるほうが良い。
戸隠でお昼に車まで戻ってこれたら、「よつかど」の蕎麦 と 森林囃子(もくもくばやし)温泉 は外すわけにはいかない。
何としてでも寄っていきたい。
「よつかど」 ~ 宝光社の少し下の鬼無里へのT字路にあるお蕎麦屋さん
「森林囃子(もくもくばやし)温泉」 ~ 長野市街から鬼無里へ向かう裾花川沿いにある温泉
【 全然登れなかったけれど 楽しかった 】
□ ラッセル 苦しく、進むのにただ時間がかかるだけ。楽しいわけがない。 でも誰も踏み込んでいない雪の尾根に自分がルートを切り開いていく。 こんな痛快なことはない。 人のラッセル跡を行かせてもらえばそれはもう楽だし速い。 けど、それだと夏のハイキング道を歩くのと何が違う? 苦しくても雪の上をラッセルしてこそ 雪山 だ!! □ 歳 ラッセルは苦しい。だから 歳 をとるとそんな雪山へは行かなくなる。 それが普通だ。 今回歩いたのは、距離 1km程、標高差 350m とほんの僅かなラッセル登山だった。 実にショボイ、でも、この歳になってラッセル登山をしてみようと思えるのは実に有難い。 もう、夜明け前の暗がりを出発しようという気力は無いが、 こうやって一人雪山に入れることには感謝感謝。