オバカンの山
還暦後(オーバー・カンレキ)の山行記録
last update : 2021.02.28
【山  域】明神岳東稜から主稜
【日  付】2015年06月07日
【時  間】05:10  上高地バスターミナル
      05:15  河童橋
      05:50  明神館
      06:00  信州大・旧養マス試験場
      06:25  下宮川二俣
      07:10  宮川のコル
      08:25  ~  08:40  ヒョウタン池
      10:40  ~  10:50  東稜の頭
      11:10  ~  11:30  バットレス取り付
      11:40  ~  11:55  バットレス上部
      12:10  ~  12:15  明神岳主峰
      12:35  明神 2峰
      13:05  明神 4峰
      13:30  4峰と5峰のコル
      13:40  ~  13:55  明神 5峰
      14:15  明神5峰西南稜肩の台地テント場
      14:25  ~  14:35  これより樹林帯(2500m付近)
      14:50  トラロープ帯上部のコル
      15:05  トラロープ帯下部のコル(2260m付近)
      16:10  ~  16:15  岳沢登山道7号標識
      16:40  岳沢登山道入口
      16:50  河童橋
      16:55  上高地バスターミナル
【メンバー】単独行

(地図や写真をクリックすると大きいのが別ウィンドウで表示されます。でもIEは?)
(地図はGPSログではありません。手書きです。)

ルート図
ルート(地図をクリックで拡大表示します)

明神岳東稜を初めて登ったのは2011年5月だ。
その時も今回と同様に、単独で上高地から日帰りの山行だったけれど、 前日は上高地・小梨平のテントで寝て夜明け前に出発しているし、 東稜の頭にでる前に嘔吐する程にバテてしまい、 主稜の縦走を続ける力無く、明神岳と前穂高の最低鞍部から奥明神沢を下降して岳沢小屋に降りてしまった。
この小梨平テント発と明神岳主稜の縦走につなげていないと言うことに納得しきれず、今回は、当日朝、沢渡から上高地入りして東稜を登り、主稜を5峰まで縦走して日帰りするという計画で行ってきた。

実は、一週間前にも同ルートに入ってみたが、この時期、沢渡初発バスで上高地入りすると河童橋スタートが7時ぐらいになりとても最終バスまでに上高地に戻って来れないので、ヒョウタン池の手前で打ち切って降りてきた。
なので今日は、沢渡から相乗りタクシーで上高地入りすることにしていたが、この梅雨に近い時期の日曜日の早朝に上高地入りする人は居ないらしく相乗り相手を見つけるのが厳しかった。
それでもなんとか別のタクシー会社のお客と合流させてもらって上高地入りできた。




岳沢と河童橋
岳沢と河童橋
上高地から入山のお決まりのワンショット


相乗りタクシーのおかげで釜トン開門と同時に3台目の車として上高地入りできた。
それでも河童橋周辺には人は居られる。
上高地に泊まりのお客なのでしょうかネ。羨ましいですね。
穂高の稜線はガスがかかっていますが、取れるのを期待して出発します。


明神橋の上からもう一枚
明神橋の上からもう一枚


明神橋と明神岳
明神橋と明神岳
山頂方面はガスがかかっていて残念


旧・信州大 養マス試験場
明神橋を右岸へ渡って100m程上流へ
旧・信州大 養マス試験場
ここに入っていきます


旧・養マス試験場
旧・養マス試験場、今はこんな名前に


2つ目の橋
すぐに2つ目の橋
この先はしっかりした踏み跡がついています


ヒョウタン池への標識
小屋の左のこの橋を渡ります
ヒョウタン池への標識は
字が薄くて近くでないと読めません


下宮川右岸段丘の径終了点
下宮川右岸段丘に付けられた径もここまで
河原に降ります


左岸上流の赤ペンキ岩
河原に降りてすぐ左岸上流の赤ペンキ岩から
右手の支流へと入っていきます


下宮川谷の支流
その支流を詰めると宮川のコルに出ます


前回の残雪期は養マス試験場から雪が残っていて、しかもまだ夜が明けていなかったのでこの支流を見つけるのには気を遣った。
養漁場から「30分程」というのだけを頼りに下宮川を左岸に沿って登って来た。
この支流に入れば、宮川のコルまでもう径間違いの心配はない。


宮川のコル近くのザレ
宮川のコルに近づくとザレっぽくなります


宮川のコル直下のザレ
宮川のコル直下はザレがひどいです
足を置けば崩れるので踏み跡はありません
登りより先週の下りの方が歩きづらかった


宮川のコルからヒョウタン池の方面
宮川のコルからヒョウタン池のコルを見る
ここからは10m間隔ぐらいで赤ペンキ印の径


宮川のコルから梓川
宮川のコル
梓川を見下ろす
正面が徳本峠でしょう


六百山と霞沢岳
宮川のコルから少し登って六百山と霞沢岳


明神4峰東稜の末端
明神4峰東稜の末端の下で径は10m程下降
宮川のコルとヒョウタン池の間の唯一の樹林帯
右上がヒョウタン池のコルです


明神岳主峰・2峰・3峰・4峰を望む
明神4峰東稜の末端を通過すると
明神岳主峰・2峰・3峰・4峰が望めます


実際のところ明神4峰東稜と言われてもどの岩稜がどれだかサッパリ分からない。
大きな岩尾根の末端を通過するので、その尾根が 明神4峰東稜 と言うことになる。
テント1つ2つ張れる広さは充分あるが、岩には何枚ものレリーフが填められていて余り気分の良いところではない。
右の写真の中で、左側に一番大きく見えるピークが4峰です。


夏径は上宮川に残る雪の下
夏径は上宮川に残る雪の下になっていました


雪の上端を越える
50m程上がると雪は消えていました
雪のないところを通っていきます


ヒョウタン池からの融水
ヒョウタン池はまだ雪の覆われていて
その融雪水が夏径をチョロチョロ流れていました
食事用に使える量ですが
朝晩は冷えるので断水するでしょう


夏径に戻る
夏径に戻りました


ヒョウタン池の雪
ヒョウタン池にどっさり残っている雪


ヒョウタン池から上
ヒョウタン池から上は雪はありません
膝程度の笹で覆われていますが踏み跡は明瞭


下又白上部
ウェストンはどこを登って
前穂高に行ったのでしょうね


下又白上部
下又白上部を見上げる
右端は茶臼の頭


第一階段
第一階段が見えてきました


第一階段
第一階段
5月の残雪期は多少緊張したけれど
雪が消えるとどこでも登れる
但し、浮き石を掴んだり乗ったりしないように


疲れも忘れて
こういうところは登りの疲れも忘れて登ってます


良く太った熊
ヒョウタン池付近には熊さんが
良く太った大きな奴だった


過去には滑落事故も
過去に事故が起こっている程度の傾斜はあります


花が一杯
花も一杯で足の置き場に苦労します


右の踏み跡へ
この岩は、右に踏み跡が続いていました


ヒョウタン池を振り返る
第一階段も終わったかな?
ヒョウタン池を振り返る
左端上部は徳沢


東稜の頭はまだまだ先
お~ッあれが東稜の頭か?と
だまされるピークが3~4箇所
東稜の頭への登りはホント疲れます



左の丸山は、4峰
あの尖ったのが東稜の頭だよな!?
左の丸山は、4峰です


3峰も見えてきた
3峰も見えてきたぞ


東稜の頭はまだまだ
ブッシュのピークが東稜の頭か?!


這松のトンネル
こんな這松のトンネルを行くところもあります
良く刈り込まれていて歩くのに支障はありません


2峰も見えてきた
2峰も見えてきたぞ
今度こそ右端は東稜の頭か?


やっと東稜の頭
この先には主峰しかピークはない
どうやら東稜の頭に着いたらしい
疲れた~~


右から主峰・2峰・3峰
とうとう明神主峰が見えてきた
右から主峰・2峰・3峰


東稜の頭から見る明神岳主峰
東稜の頭から見る明神岳主峰
中央のツルッとした感じの岩がバットレス


ラクダのコルは雪
アラ~っ、足元ラクダのコルにはベッタリ雪が
平坦なのでピッケルもアイゼンも要りません


東稜の頭を振り返る
バットレス取り付から東稜の頭を振り返る
東稜の頭には 剃り込み が入っている
怖え~ッ


バットレスの下の露岩
バットレス下部の露岩
緑の低木から左へ抜けました


バットレスと登攀ルート
バットレス
赤線はスタンスのルート
ホールドのラインだとまた違う
右へ2回の移動は共に一歩です
赤線部分で僅かに10m程度の露岩ですから


バットレスの基部で登攀準備をしました。
クライミングシューズに履き替え、B級ハーネスを付けて、2本のスリングを掛け替えてセルフビレーを取って登っていきます。
残置ハーケンは沢山あります。
写真で見る程、寝ている訳ではありません。
ここのために持ってきたロープ(8mm x 20m)や沢山のヌンチャグ、シュリンゲは使いませんでした。


フェースを右へ移動
右のフェースに移りました
写真撮影の時でさえA0の必要はありません


バットレス
バットレス、取り付いて右の凹角に入りました
残置ハーケンはいっぱいあるので
2本のシュリンゲを掛け替えてビレーを取って
安全を確保しています


右フェースに移ったところの頭上
右フェースに移ったところの頭上
もう登攀は終わりです
5月はホールドがベルグラに隠されていた


バットレス終了点
バットレス終了点から茶臼ノ頭と横尾
左上は常念岳


山頂ももうすぐ
山頂ももうすぐ
ルートは、左へ 一旦2峰側へ回り込みます
この写真を見ていたら
このまま真っ直ぐ主峰まで登れば良かった


バットレスの先
バットレスの先、山頂へ


明神岳主峰
明神岳主峰、到着です


明神岳主峰とザック
ザックも写してアリバイ写真


東稜を見下ろす
登って来た東稜を見下ろします
左上は徳沢の小屋です


明神岳主峰から前穂高
明神岳主峰から前穂高
残念ですがガスが取れません


吊り尾根、奥穂から西穂
吊り尾根、奥穂から西穂もガスの中です


明神岳主峰から2峰・3峰
明神岳主峰から2峰・3峰
2峰に隠れて河童橋は見えません

天気が悪い訳ではないのですが、残念ながら前穂高から吊り尾根、奥穂、西穂の稜線はガスが切れてくれません。
長居しても見晴らしは得られそうにないので主稜の縦走に移ります。
この先、私にはもう登攀具は必要ないのでザックを整理します。
と言っても、もしもの時のためにシュリンゲとヌンチャグは1本ずつザックにぶら下げていきます。
勿論ヘルメットは被ったままです。
さあ、誰も居ない明神岳主稜を一人気ままに縦走しましょう。


2峰の取り付
2峰の取り付
ここだけちょっと急です
この2m程だけがⅢ級であとはⅡ級って感じです


2峰の壁
2峰の壁、一段上まで登ったところから
左の凹角の更に左を登ります


2峰から主峰と前穂高
壁を登り終えたところにザックを置いて
10m程先の2峰のテッペンへ
2峰のテッペンから主峰とガスの取れない前穂高


2峰の壁
凹角の下まで来ました
左側を登っていきます
安定した岩で気持ちいいですよ
ちなみにアプローチシューズでヌンチャグ等もなし


2峰から見る3峰
2峰から見る3峰
河童橋もよく見えます



3峰
この3峰は岳沢側を巻きます
この岩は崩れそうで怖いです
巻き径は標高差で5~60m下を目指します


3峰巻き径
巻き径を4峰側に出てきました
目の前のが4峰、尖っているのが5峰


巻き径
巻き径はこの先更に下へと向かいます


3峰を振り返る
3・4のコルから3峰を振り返る



主峰・2峰・3峰を振り返る
4峰から明神岳主峰・2峰・3峰を振り返る


5峰
4峰の下降途中から見る5峰


4峰から明神岳と東稜
4峰から明神岳と東稜を振り返る


5峰への壁
この5m程の壁を越えると5峰のピーク



5峰のテッペン
5峰のテッペン
記念のSimondのピッケル


5峰から見る河童橋
5峰から見る河童橋


我がザックも記念に
我がザックも記念に
ガスで明神岳主峰・2峰・3峰が見えません


5峰西南稜肩の台地のテント場
5峰西南稜肩の台地のテント場
もう雪田はありません


この5峰で明神岳主稜線の縦走は終わりです。
ここから岳沢登山道7号標識まで 標高差1000m の下降です。
まあ、足元に見える 河童橋 まで行くのですからその急さ加減も分かるかと思います。
今まではいつも4峰側から下って、左へ這松をトラバースしていましたが、今日は最初から左側を下って這松帯を目指します。
這松帯に届いたら、左手のガレと這松とのコンタクトラインを這松を掴みながら西南稜肩の台地近くまで下降します。
なのでここからは軍手を履きます。そしてヘルメットはもうザックにしまいます。


稜線歩き終了
この三角ピークが見えると稜線歩きは終了です
この先は樹林帯です
ここから岳沢登山道7号標識まで800mの下降


河童橋
この河童橋まで下るのですからキツイですよね

この先、樹林帯の標高差800mをガマンガマンで下ります。
踏み跡は結構明瞭ですし、ピンクテープも沢山あります。
途中トラロープ帯があります。以外と長いですが、ロープが邪魔で歩きにくいです。
トラロープ帯を過ぎると、真っ直ぐ右側の尾根筋を下りそうになるところが3箇所あります。
最初のところは右へ進まず、左へ背丈程登り返しになっています。
あとの2箇所は、共に、真っ直ぐ尾根筋を進まずに左手の斜面へと下っていきます。
ピンクテープを追いかけていれば、7号標識まで降りてこられます。
ただ、日没にここを下るとピンクテープを追えるかどうか私はちょっと自信ないです。
明るい内に7号標識までは下るようにしましょう。


岳沢登山道7号標識
岳沢登山道7号標識
(覚悟して下ったら全然写真を撮っていなかった)


岳沢登山道入口
岳沢登山道入口


河童橋から明神岳
河童橋の麓まで戻ってきました
今日も一日ありがとうございました
終バスまでにまだ1時間あるぞ(笑)


無事に河童橋まで降りて来れました。
通常、2日掛かる 明神東稜から明神岳主稜 コースを1日で歩いてきた。
この達成感は大きいです。
また登りに来させてもらいます。
今日も楽しい1日をありがとうございました。







ルート図
ルート(地図をクリックで拡大表示します)
日帰りで楽しむ明神岳
今回の明神岳東稜の山行で東西南北4つのルートから 明神岳 に日帰りで登ったことになる。

北ルート ~ 2014年05月31日 岳沢奥明神沢 から
              前穂・明神の最低鞍部
東ルート ~ 2015年06月07日 今回の明神岳東稜
南ルート ~ 2014年09月27日 明神岳5峰西南稜
西ルート ~ 2011年05月21日 岳沢奥明神沢右俣bルンゼ

南ルートの時だけ前穂高まで抜けて重太郎新道を下ってきたが、他の北・東・西の3ルートはいずれも明神岳主稜を歩いて降りてきた。

これで日帰りで楽しむ明神岳は一通り終わりと言えるが、まだ他にも歩いてみたいコースはある。
例えば、前穂高から明神岳と主稜縦走(南ルートの逆コース)など、まだ歩く力が残っている歳のあいだに行ってみたい。
そして 奥又白池から明神岳に登って主稜を下山するコース。
これが元々一番行きたいコースだ。
私の場合、登攀具を持たずに行ける、正に極上のトレッキングコースだ。
一日中稜線が見渡せるそんな晴天の日に是非行ってみたい。
ただ、過去の奥又白池からA沢を抜けた自分の記録を見るとどう計算しても最終バスに間に合うように上高地まで降りて来られそうにない。
それどころか、日暮れまでに岳沢登山道に辿り着けるかどうかも怪しい。
でも行ってみたい。



前穂高北尾根と較べて
この明神岳東稜は前穂高北尾根を最低鞍部から登る場合と似ているような気がした。
東稜は、養マス試験場から下宮川谷、上宮川谷を登ってヒョウタン池に出て尾根登りが始まる。
北尾根も、徳沢新村橋から奥又白谷、上奥又白谷と2つの谷を登って北尾根最低鞍部に出て尾根登りが始まる。
そして共に山頂までの標高差600数十mを、前半はブッシュ混じりを、後半は気持ちの良い岩稜を登らせてもらえる。
また、前半のブッシュ混じりに出てくる東稜の第一階段は北尾根の六峰の登りに似ている。
どちらも甲乙付けがたい楽しい尾根だ。
ただ、似てはいるが、大変さで言えば、
・上高地からのアプローチの長さ
・尾根の長さ
・前半のブッシュの濃さ
・岩稜のクライミングの難しさ
どれをとっても前穂高北尾根の方がワンランクもツーランクも上だ。
でも、登り着いた山頂は、北尾根の場合は前穂高というタイミング次第で賑やかな山頂になるが、
東稜の場合は明神岳という静寂が約束された山頂になる。
そして、下山路について言えば、前穂高北尾根の場合は重太郎新道という一般登山道だけれど、
明神岳東稜は5峰までの主稜縦走が待っているしその先の西南稜も踏み跡であって登山道ではない。
山頂からの下山は、明神岳東稜の方がワンランクまたはツーランク上の楽しさが残っている。

明神岳東稜 vs 前穂高北尾根

どちらも私は好きだ。



 2015.06.07 北ア・穂高・明神東稜に関する 掲示板  
  ルート別の各ページに掲示板を用意しています。
  各ルート別のご意見やご質問は、それぞれのルートの掲示板にお願いします。

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