(株)東ハト はエライ

山の食べ物(食料)は難しい。

特に最近は。

山では、高カロリーとか高タンパクとか、塩分や糖分が多い目とかの食料がありがたい。

ところが最近のダイエット志向で売られている食べ物は、わざわざ低カロリーとか塩分控えめとかの食べ物ばかりだ。だから山用食料としてはなかなかいいものがない。

しかも山用食料は、嵩張らず、軽いものでなければならない。

そして昼食はと言うと、火を使わずにそのまま食べられるものである必要があるし、乾パンやカロリーメイトのように完全に乾燥した食品は、歩行で渇いた喉に全く通らない、と、ますます適用出来る食べ物は少ない。

そう言う中にあって 東ハトのオールレーズン は、多くの条件をクリアーしている実に優れた食料だった。

ところが、その 東ハトのオールレーズン は今年(2016年)夏頃からスーパーの商品棚から消えていった。

正確には、従来のパッケージの商品が消えて、オールレーズン自体は新包装になった。

従来は、1袋に14枚入っていてコンパクトだった。

それが、2枚の個装で12枚入りになってパッケージが倍ぐらいになってしまった。

うまいこと 14枚から12枚に値上げされた。

こう言うことをする企業はキライなので、長い間お世話になったオールレーズンとはサヨナラして他に何かないものかとネットでさがしてみた。

ナチュラルエナジーバー チンパンジー(CHIMPANZEE)と言うのがあった。

食品スーパーでは販売していないが、登山用品店には置いてあるようだ。

早速一枚買って食べてみた。

味も食感も悪くない。ただ分量が少ないので昼食用となれば最低でも2枚は食べないと・・・

そうなると値段は600円(2枚)となって、ちょっと無理。

チンパンジーは主食用ではないと思う。

スポーツする人は健康志向でしょう、ならば、小腹が空いた時には少々高くっても安心のオーガニック食材のチンパンジーをどうぞ、と言う位置づけの商品だと思う。

山の昼食には向かない。

山の非常食には、嵩が低いし軽いので(値段無視出来れば)ピッタリかも。

他に何かないかとネットでさがした。

カントリーマアムが山では定番だとでてきた。

う~ん、カントリーマアムは昔からみて知っているけれど食べたことはない。

これってお菓子でしょう。とは思いつつ、1食で10個と見て一袋20個入りお得用パックを買って山に入ってみた。

甘くて口あたりもいい、しっとり感もある。食べやすい。

が、それが逆に災いして、半日登山で一袋20個を全部食べてしまった。

う~ん、やっぱりイメージ通り、お菓子であって山の昼食にカントリーマアムは不適合。

他に、サブレも家で食べてみた。

値段、嵩、分量、いずれも合格だけれど、甘すぎるし乾燥しているのでやっぱり無理。

適当な昼食が見つからない。

腹立たしいけど、14枚から12枚に値上げされた 東ハト オールレーズン を試しに買ってみた。

12枚でも昼食一回分と見なせるか確認したかった。

まず一袋のカロリー数などを新旧でどれぐらい差があるのかみてみた。

昔の14枚入りの時は、1枚あたり 7.6g、 28.1kcal、 炭水化物 5.7g だった。

それが、新しいのでは、1枚あたり 8.9g、 33.9kcal、 炭水化物 6.5g になっている。

ん?1枚のサイズが若干大きくなっている?!!

結局これって、古い方は一袋あたり 106.4g、 393.4kcal、 炭水化物 79.8g

新しい方は、一袋あたり 106.8g、 406.8kcal、 炭水化物 78g とほぼ同じ値だ。

エエッ、東ハトさん、14枚を12枚に値上げしたんではないんだ。枚数減らしたけれど1枚あたりの分量は増やして一袋あたりでは同じだけ入った商品なんだ。

素晴らしい!!

てっきり体よく値上げしたと思っていた。ゴメンなさい、東ハトさん。

やっぱり山の昼食の定番、王者はあなた、 東ハト オールレーズン です。

 

 

 

『登頂「笠ケ岳」は別の山 近代登山の父・ウェストン』 の記事

岐阜新聞の Web版の2016年10月30日に上記記事が出ていた。

ウォルター・ウェストン。
明治時代に日本に3度長期滞在して多くの山に登り、「日本近代登山の父」と呼ばれる英国人宣教師。
甲斐の鳳凰三山の地蔵岳オベリスクに初登頂したのは有名だ。
その彼の著「日本アルプス」で、笠ケ岳登山について詳しく書かれているそうだが、その内容通りだと「笠ヶ岳」ではなく「抜戸岳(ヌケド岳)」に登ったらしい。
山頂の描写からもそこは笠ヶ岳ではない、と地元の山ヤ=木下喜代男さんが検証された、と言う記事。
ウェストンは笠ヶ岳に登るために地元の猟師に山の案内を請うていたが2年続けて断られていて3度目の1894年にやっと案内してもらえて”偽り”の笠ヶ岳に登ったらしい。
木下さんは、地元の猟師が「笠ケ岳は頂上に阿弥陀如来を祭る聖なる山で、異教徒を登らせるわけにはいかない」と、わざと笠ヶ岳とは違う抜戸へ案内したんだろう、との見解だ。

なんか気持ちの良い話しだ。

私は、別段ウェストンに何か悪い感情を持っているわけではない。
そもそもウェストンは、オベリスクのテッペンに初めて登ったと言うことと上高地に胸像があるぐらいしか知らない。

だけどこの記事はすがすがしい。

多分、ヤマレコ等で高尾山や丹沢で「バリルート(バリエーション・ルート)」と言われると非常に不快な気持ちになる。その裏返しなんだろうと思う。
この人達は、単に登山のガイド本や登山地図に登山道として乗っていない径をバリルートと呼んでいるだけなのだ。
そこは登山道ではないかも知れないが、バリエーションでも何でもない、杣人が植林作業で歩き込んだれっきとした「径」だ。

登山者なんてその力はたかが知れている。

山ではやっぱり猟師や杣人の経験と知識が素晴らしい。