上野公園にある東京都美術館でやっている「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史」を見てきた。
なんと本日シルバーデイとかで65歳以上の人は、入場料1000円のところが タダ。
ラッキー!!
で、がら空きでゆっくり見られるのかと思っていたら、なんと入場30分待ちだった。
何でこんなものが人気なの?といまだに不思議でならない。
大英帝国の名の下に世界各地から奪って持ち帰ったものの展示だろう、と思わなくもないが、今はアルカイダやISがこう言った遺跡を破壊する時代だから、世界人類に変わって英国がこれら世界遺産を管理保管してくれていると思うと有り難くもある。
今回の展示は、大英博物館が収蔵する700万点の中から 100点 を選び出して、古い順に世界の歴史を説明するもの。
そんな中に日本の 縄文土器 が展示されている。
それで行ってきた。
最初の展示物は、およそ200万年前と140万年前の石器。
これは現人類(ホモサピエンス)より古いネアンデルタール人なんかよりもず~と古い、原人とか猿人の石器だ。
200万年前の石器は、石が落ちて割れた自然石、といわれても分からない程度の石だった。
140万年前の鏃(ヤジリ)は、500mlペットボトルを一回り大きくしたサイズの極めて鋭利な刃物の見事な石器だった。さすがにアフリカ大陸の大型野獣をしとめる鏃だと思った。日本の旧石器時代の鏃よりあまりにデカイ。
その次は、一気に時代は進んで1万4千年前ぐらいの品が2~3点あって、いよいよ紀元前5000年とされた 縄文土器 が陳列されていた。
長野県の尖石遺跡博物館や井戸尻博物館と比較するとかなり質素な土器だった。
もっと見栄えのする縄文土器がイギリスに持ち帰られていたのかと思っていたので、少し安心するやらチョット淋しいやら、複雑な気持ちになった。
それ以降の展示には関心がないのかつまらないのか一瞥するだけ程度で抜けて出てきた。
とは言ってもものすごい人で早々簡単には歩かせてもらえない。
やっと出てきた上野公園はもう夏に日差しだった。
このまま帰るのは余りにもったいないと、国立博物館へ行った。
こちらも65歳以上は通年無料。有り難いですね。
日本館で旧石器と縄文時代をゆっくり見させてもらってお口直し。
地球館へ廻って、マンモスで作った小屋(家)の周りを見せてもらって帰ってきた。
こちらは中学生が修学旅行か何かで来ている感じ以外はほとんど人は居ない。
大英博物館展よりも遙かに中身は濃いと思うが、どんな博物館や美術館も常設展はこんなものだ。
昨日今日のニュースにアフリカで330万年前の石器が見つかったと賑やかに報道されている。でも、あと何十年経っても、そんな猿人の道具にまず意味づけは出来ないだろう。
博物館のイベントやニュースの話題は華やかかも知れないが、まるで人気のない 常設展 の方が遙かに知的好奇心をそそられる。
そんなことをこの歳になって初めて知るようになった。