ピッケルを持った登山者

10年近く前に、徳沢周辺で、ピッケルを持った登山者のいないことに気が付いた。

上高地から明神は、観光地なので登山者よりも手ぶらの観光客の方が多い。

けれど、明神から先、徳沢へは観光客はほとんど入らなかったのでほぼ全員が登山者という感じだった。

もっとも最近は、徳沢まで足を延ばす観光客も多い。

徳沢に観光?な~んも無いと思うけど・・・

私は、徳沢直前の梓川越しに見る前穂高から明神の稜線は好きだけれど、観光の人にはただの岩山でしかないでしょう。観光の対象ではないでしょう。

そんな徳沢近くを夏に歩く登山者を見て、誰一人としてピッケルを持っている人が居ないことに気が付いた。

ほぼ全員が杖?ストック?を持っている。

正直、淋しかった。

あの穂高からも岳人が消えた、と。

10年近く前のことだ。

 

先週、奥又白池へ行ってきた。

7月中旬というのに池は8割方雪が浮かんでいた。

帰路の徳沢周辺は結構人が歩いていた。

フト気が付くとほとんどの人が、ピッケルをザックに刺していた。

嬉しかった。

そう言えば、今はまだ、涸沢から上、ザイテンは雪に覆われていたんだ。

奥穂を目指すならピッケルがないと無理なんだ。

単に、登山道を歩くだけの人も、ちゃんとピッケルは持って居られるんだ。

そして、その方々は全員ぐらいがヘルメットもぶら下げていた。

良いですね。

ちゅっとした滑落でも、頭部を打って亡くなった人と、ヘルメットで助かった人の話が色々な所で紹介されているので、ヘルメットの着用が多くなった。

非常に良いことだと思う。

もっとも、この場合のヘルメットは山用の高額のヘルメットが必要か?安価なドカヘルの方が良いのでは?と思うけど・・・

穂高から、岳人が消えたことには違いないが、雪さえあれば、登山者はピッケルを刺し、ヘルメットをぶら下げている、良いことだ。

 

 

岐阜県も登山届け義務づけ

岐阜県議会で登山届けの義務づけが採択された。

届けを出さないと、5万円以下の罰金 だそうだ。

群馬や富山と違って、許可証の申請ではない。

単に届け義務だけなので、当たり前と言えばあまりに当たり前の話しだ。

 

ただ、運用が難しいかな?と思う点が2つある。

1つは、岐阜県側と言えば、バスで乗鞍とかロープウェイで西穂というのがあるが、基本これらの人は「観光」だと思う。観光では「登山届け」とは関係ないが、元気な若い人が「先に見えるテッペンまで行ってみよう」となったら、これは登山?観光?区別難しいですよね。

乗鞍は、山頂付近で落石事故が結構ありますからね。線引きが、難しいです。

まあ、私には、これは関係ない話しですけど・・・

2つ目は、私にも関係ありそうな・・・

計画書では、当然ルートを書く。けれど、相手は 山。計画通りには行かせてもらえない。

ルート変更はあり得る。計画書外ルート、これは?未提出扱い?

未提出扱い、そんなきついのは堪忍して、と言う気もするし、迷ったのでなければ、計画書外ルートは、未提出と同じじゃん、と思ったりもする。

例えば、新穂高からピストンで槍を目指した。槍の帰りにあまりに気持ちよさそうだったのでキレットを通過して白出のコルから下ることに、なんて計画変更は、計画書未提出と同じでしょう。

でも、逆に、計画書ではキレットを越えるつもりだったが、見てみると怖そうなので往路の飛騨沢を下降した。というのは許されるでしょう。いわゆる、エスケープなんですから。

こう言うのはどの様な運用がなされるのか気になる所です。

 

いずれにしろ、計画書を書く癖のない人に、計画書を書かせるのは良いことです。

私は賛成です。

 

 

ヘッドランプ

夜の暗がりでも山を歩くようになると、良いヘッドランプが必要だ。

昔は、単一電池3個とか4個を入れるケースを腰のベルトにセットし、1m近くの電気線で繋いだヘッドランプだった。

重い。嵩張る。さほど明るくない。豆球壊れやすい。

と、今に比べて欠点だらけだった。

Panasonic がリチーム電池の、小さく、軽い、かなり明るいヘッドランプを出してくれた。

これは嬉しかったネ~。

だが、今は、山用のヘッドランプと言えば、Petzl か Black Diamond と相場が決まっている。

Petzl は高いので、実質、 Black Diamond の一人勝ち状態だ。

あれほど支持された Panasonic はもう見る影もない。

その Black Diamond からは、毎年のように改良されたい良いものが出てくる。

私は、高性能な部類で、且つ、コストパフォーマンスが良い、 Spot と言うのを使っている。

その Spot を3世代目になるのを買った。

別に古いのが故障とかした訳ではない。全く問題なく使える。

ただ新しいのは、前回のに比べて、数値上のスペックが 倍程 向上している。

値段はほとんど据え置きだ。

これなら欲しくなるでしょう。

今回の新しいのは、 75m 先まで照らすと言う。

早速、夜、暗い畑まで出かけて 70m 先まで照らしてみた。

よく見えなかった。

考えたら、昼間でも、近視のひどい私には 75m 先はほとんど見えないのだ。

夜見えても、意味無いのに気が付いた。

でも、心強い。

 

ところで、夜、山を歩くと、本当に ヘッドランプがないと全く行動できない。

だから、いつも、換えの電池ばかりではなく、予備のヘッドランプそのものをもう一台ザックに入れている。

 

 

振動の目覚まし時計

昨年の9月に小屋泊の登山をした。

翌朝の4時の出発する予定でいたが、9月の4時はまだまだ暗い。

ゴソゴソ出発準備をすると隣の人きっと起こしてしまう。

申し訳ないので、隣の人に先に断って前夜就寝した。

ところがこっちはぐっすり寝てしまって、逆に、隣の人に「もう4時だよ」と起こされてあわてて出発したことがある。

それ以来、山小屋で使える何か良い目覚ましはないものかと思っていた。

アラームを振動に変えて起こしてくれる腕時計があった。

1万円弱のはネット上で沢山公告出されているが、どうも製品品質が悪いように感じたので手が出せない。

国産メーカの腕時計でも振動アラームの腕時計があるが、3万円近くからそれ以上の価格がする。

悪いものでは無さそうだけど、山小屋の目覚ましだけに3万円はどう見ても勿体ない。

そもそも私が山小屋に泊まるのか?大いに疑問だ。

去年小屋に泊まったのも何年ぶりだ?単独行での小屋泊は40年以上前に一回だけある。

今後、歳とともに体力が劣ってきたら小屋泊は当然考えられるが、今はその気がないから昨年秋に一人用テントを買ったぐらいだから、やっぱり小屋泊はないだろう。

昨年小屋に泊まった回数は3回。寝過ごしたのは1回だけ。この一回のための目覚ましで3万円はやっぱり勿体ない。

手が出せなかった。

そうしたら、TANITA の TD-370N バイブレーションタイマー Quick と言うのがあった。

td370これは、本来、目覚ましの時間設定する機械ではない。

ラーメンに熱湯を注ぐいで待つこと3分の時の、3分をセットしてアラームを鳴らす装置だ。

その設定時間が24時間先までできるという装置。

ネットで買えば、2000円でお釣りがある。

私が買ったのは、写真中央の 白い やつ。

3分アラームの発想なので、実にシンプルで良い。

暗がりで使うのだからほんの少しでよいのでライトが欲しい、でもそんなものは付いていない。

時間設定に、テンキーボードが欲しいが、そんなものも付いていない。

時分秒の表示があるが、時間の設定を考えているので、秒の設定は無い。

無いもの尽くめが良い。

しかし、肌身に着けていて勝手にボタンが押されないようにしっかりカバーは付いている。

アラームの知らせは、音でも振動でもワンタッチで選べる。

アラームが知らされた時、それを止めるのに、ボタン選択は不要で、どのボタンでもよい。

実にシンプルで、よく考えられている。

実はこの装置、時計表示も付いている。

でも、初回設定できるが、途中で時間修正などできない。

時間修正したければ、電池を抜くしかない。電池を抜けば、オールリセットされて、初期設定からやり直し。

う~~ん、実にシンプルだ。

日本人は、すぐにあれもこれもと機能を付けたがる。

これはそう言うものをバッサリそぎ落とした優れもの。

実に気持ちいい。

見事!!!

 

ps;    2014年7月9日   追記

そうそう良いことばかりではなかった。

先日、室内でアラーム音を設定して寝た。

目が覚めなかった。

アラーム音が小さい。

テストで、マウスの横に置いて鳴らしてみたら、PC操作中で耳の遠い私には、それもほとんど気が付かなかった。音、小さい。

さらに試してみた。ポケットティッシュの袋の上に置いて鳴らしてみた。

全く聞こえない。

装置に裏に直径1mmほどの穴が空いていてそこから鳴るらしいので、裏向けに置いてアラームを鳴らすと少しは聞こえる。

これ、音はダメね。