“登山届”が命を守る ???

本日(8月17日)のNHKニュースのページに「“登山届”が命を守る」という記事が出ていた。

確かにその通りだ。たかが1ページの紙の内容とはいえ、仮に、事故が起こって、携帯で警察に連絡を入れ、全く何もないところからその1ページ分の情報を警察と遭難者との間で共有できるまでにどれほどの労力が必要か少し想像しただけでよく分かる。そして救助対策はそこからであることを思うと登山届けは必須だ。

学生時代のクセで、私は、必ず計画書は作っている。まあ、よく行く岩登り練習の丹沢の弁天岩だけは家には口頭で済ませているが・・・

作った計画書は3部印刷する。

1つは、家に残していく。

2つ目は、登山届け所に提出用として持って行く。

3つ目は、自分が山の中に持って行く。

今年の2月に事故を起こした時に自分では動けないので、人に、警察への救助を依頼した。その人に3枚目の計画書を渡して、警察に連絡をしてもらった。

このときは、前日の出発前に長野県警にメール添付で登山届けを提出していた。

さすがに山の事故での活動の多い長野県警と岐阜県警は、メール添付での登山届けを受け付けてくれている。群馬県もWeb上で届けられるようだ(但し、谷川の危険区域への入山は事前に許可を得ていなければならないので別手続きになる)。

ところが丹沢や奥多摩を管轄する警視庁や神奈川県警は、ネットからは受け付けてもらえない。車で沢登りや山スキーに出かけると、ほぼ確実に提出場所がない。

例えば、裏丹沢の道志に、厚木側からアクセスした場合、山梨県警のどこへ?

上越の新潟県側に群馬県の三国峠を越えて入った時は?

登山届けの重要性を訴えられる割には、受付の体勢が出来ていないように感じる。

是非是非、どこの警察でも、メール添付で登山届けが出来るようにして頂きたい。

メール添付で計画書を受け付けてもらえると、もっと色々情報を書けるからだ。

住所氏名を書くのは当然として、同じ紙に携帯電話番号を書くのはかなり抵抗がある。誰もが好き勝手に見たり取ったり出来る駅前とかの提出箱に投函はしたくない。

メールで受け付けてもらえるのなら、生年月日も安心して書ける。

車の車種や色、車両番号も書ける。

緊急連絡用に家族の携帯番号も書ける。

幸い私には持病がないのでそれらの病名や薬を書くことはないが、書いた方がいい人も居よう。血液型の情報も(必要になってもらっては困るが)書ける。

受け付けてもらえる警察側の事は分からないので、このように好き勝手なことを書いているが、長野県警や岐阜県警のように是非メールでの登山届けを受け付けて頂きたい。

計画書を作成する方にも大事な作業がある。それは、

計画書を作成する場合、現地の所轄の警察の名前と電話番号を調べて記入しておくことだ。

 

再び、大阪・上宮中学12名無事下山

全員無事に下山されたが、TVとかを見ていると、どうも引率の先生はあまり山に経験があるようには見えない。

道に迷っても引き返さず、磁石で確認もせず・・・山の基本を忘れていたような反省の弁だった。それは正しい反省の姿だと思う。

ただ、雨が降るような樹林の中で道に迷った時に「磁石」なんぞ何の役にも立たないことも知らない人が引率ではつらい気がする。

やはりプロのガイドまたはそれに準ずるレベルの人に、講師またはガイドとして合宿全体を実地の講習の場としてとらえて指導してもらった方がよいような気がする。

おそらく今回の引率の先生は地図を満足に読めないでしょう。

きっと、登山計画書を提出もしていなかったでしょう。

雨や風の中でのテントの張り方やコンロの使い方、すべてにコツがある。

もう今時コッフェルでお米を炊くなんて事は無い時代かも知れないが、仮にお米を炊くとしたら、火の加減や火から下ろすタイミングなど経験すべき事は山ほどある。

せっかくの合宿ならそれらを教わって欲しい。

それを2~3年続ければ、引率の先生が生徒を指導できるようにもなるし、3年生が1年生を指導できるようにもなる。そうなれば、ガイドの講師も必要でなくなる。そして何よりも、指導することが、実は一番教わることになる、と実感して3年生を卒業して欲しい。

お詫び:登山計画書は地元警察署に提出されていた。

 

大阪・上宮中学12名無事下山

大阪・上宮中学の山岳・アウトドア部の12名が、奈良県東吉野村の明神平での1泊2日の合宿から予定日の日没までに下山できず、警察と消防によって救出された。

ともあれ無事で良かった。

えらいな~、と思ったことは、全員12名がバラバラにならなかったことだ。

残念だな~、と思ったことは、そもそも道に迷ったこと。山道で迷うか?と思うからだ。通常、関東・東海・中部・近畿と言った地域で、道をはずしたら50mも進むと、間違いに気付く。そこでアレェ?と思いながらさらに進んでも50~100m程度しか行けない。僅かに100m前後、おかしいと判断したら引き返して欲しかった。

今回のことを反省に、山を止めるのではなく、また安全登山を心がけて山に入って欲しい。

最近よく感じるのは、結局は、無事に帰れるかどうかは技術や経験があるかどうかにかかっているように思う。

私の今年の2月の事故は、結局は、スキー技術がなかったのだと思うようになっている。

 

登山用品は定価販売?

先日、水道橋で人と会う約束が出来たので早い目に行って神田・お茶の水のスポーツ用品店を覗いてみた。

この辺りのお店は全部少しは値引きして販売してくれていたように思うが、ICIスポーツのみがあまり目立たないが10%引きにしてくれていた以外はどの店も値引きに気が付かなかった。そう、どのお店も定価販売なのだ。

確かに、登山用品は、ネット通販でもまず定価販売なのでやむを得ないのかも知れない。しかし、何十年も前から国内での登山用品価格は割高、が定説なので定価で買うのは少々シャクにさわる。当然何も買わなかった。

(ICIスポーツに、いつか手に入れようと思っていたものがあったので少し心揺れたが、嵩張る装備だし、10%ならそのうち横浜・関内のICIスポーツから割引の葉書が来るだろうから今回は見るだけにした。)

全国の大型ショッピングモールで同じ価格で購入できる、そう言う社会構造は大いに歓迎だ、と普段言っている自分が、神田界隈の安売りに期待したのは甚だ矛盾しているが、今回、もう神田界隈にも価格のメリットはない、と言うのが分かったのは大いに収穫だった。