顔を カオ と ツラ とどちらを言われても通じる。
ただ、使い方として ツラ は下品というかヤクザっぽいと言う印象がある。
「ちょっとツラ貸したれや」的な使い方、ちょうど、 僕 と 俺 の様な感じ、これが私の カオ と ツラ のイメージになる。
ところが ツラ は方言で、東北や九州中南部から沖縄で使われているらしい。
(沖縄では チラ らしい。そして ツラ より古い言葉らしい)
カオ は近畿、中四国で使われていて、関東圏にも伝搬している様な説明がなされている。
どいうことか。
もともとは ツラ で日本中全国で使われていた、そう、それが縄文時代。
ところが弥生文化では カオ が使われ、北九州から近畿にその弥生文化が伝わるに従って ツラ ではなくなっていった。当初、その弥生文化に染まらなかった東北や九州南部では 縄文語 の ツラ のまま残った、と目も覚めるような鮮やかな説明が
書籍:縄文語の発見 小泉保 青戸社
に出ていた。
とてつもなく面白い本だった。
まあ、縄文語がどの様な言語で弥生語がどの様な言語か一切触れられていないので不服感は大きいし、分析哲学というような分析○○という私には非常に退屈な手法と思うのだが、比較言語学での列挙は興味ないので読み飛ばしたが、最後の結論、
・弥生時代に弥生語なるものがすべての縄文諸語を一掃しこれと入れ替わったと憶測する必要はない。
・弥生語も縄文語の一変種にすぎない。
・要するに、日本語は縄文文化と共に始まったと考えてよい
には、大いに賛同する。
この本、図書館で借りてきた。
定価 2600円 + 消費税 は払わなくても済むし、読み終わったあと書架のスペースも要らない。
本当に図書館は有り難い。
次ぎまた借りたい本は何冊かリストアップしてスマホに入力されている。
ちょうど区切りが良いので、来年一年間で何冊借りるか数えてみよう。